街は変わる
毎日は繰り返しのように見えるけど
人生の砂時計は止まることなく
進んでいるのね。
近所に、古い一戸建ての家がありました。
おじいさんとおばあさんが住んでいました。
はじめに、おじいさんの姿が見えなくなり、
玄関前に立派に植えられていた木が切り倒され
草が生えないように黒のビニールシートに
覆われて、ブロックで飛ばないように
置いてありました。
おばあさんの姿は時々見かけましたが
季節はめぐり、家に人が住んでいる気配が
しなくなったころ、ポストがなくなりました。
ある日、トラックが家の前に止められて
業者さんが、家の中にある家具や
布団を出していて、
しばらくすると、家の周りの防音シートが
張られ、家をを解体する専用の機械で
木造2階建ての家をあっという間に
解体していきました。
防音シートの外で作業していた方が
掃除していたのは、最後まであった
キウイフルーツの木を切り倒したもの。
「この木、植えたけど大きくなるばっかりで
実は硬いのしかつかないね~」
そういいながら、老夫婦が仲良く剪定していた姿を
見かけたことがあります。
更地になった土地。
でも、目を閉じるとあの2階建てが建って見える
ので不思議です。
まもなく新しい家が建設されます。
家を建てる方は別の方。
街の風景はゆっくりと新しい世代に繋がっています。